企業の声
足利市内企業インタビュー④ オイレス工業株式会社
――御社の事業概要についてお伺いします
当社は、平成5年5月に足利工場の操業を開始し25年目を迎えます。 足利工場では、主に、建築物や橋梁を地震から守る免震・制震装置の製造を行っており、製造された製品は日本全国、そして一部は海外にも供給され、足利の地からグローバルに展開しています。
――足利市に立地を決めた理由は何ですか?
当社は、軸受製品 免制震製品ともに神奈川県藤沢市の工場を生産拠点としていましたが、免制震製品保管スペースが手狭になり、移転先を模索していました。移転先を検討する中で、当時、東北道・関越道・北陸道などの公共工事が行われており、足利市が各拠点に製品を供給する上で、国道50号を介して優れた交通利便性を有した場所だったことがポイントになりました。
また、原材料の取引を栃木県宇都宮市や新潟県の企業と行っており、足利市であれば首都圏を経由せずアクセス可能になり、流通のリードタイム短縮に繋がることも選定要因になりました。
――足利市に立地後の操業状況、操業環境はいかがですか?
自然災害が少ないということは大きな魅力です。例えば、数年前、関東各地を豪雨が襲ったことがありました。近隣市を流れる河川の堤防が決壊して大洪水に見舞われた時も、足利市を流れる渡良瀬川の堤防はびくともしませんでした。また、雪が降っても年1回程度で、通勤や操業に影響が出ることはありません。更に、足利市は近隣市に比べて地震に強いという印象があります。
災害に対するリスクが少なく、安心して安定した操業が可能な足利市の環境は、免震・制震装置を製造する拠点として最高の環境だと感じています。
――足利市に立地して良かった点はなんですか?
首都圏との近接性が挙げられます。大規模な建築物が多い東京や大阪など主要都市が、足利工場で生産する免震・制震装置の主要供給先となるため、特に、東京へのアクセス性に優れている点は重要なポイントです。 代表的なところでは、丸の内周辺の高層ビル、首都高速道路などに当社の免震・制震装置が供給されています。ちなみに足利赤十字病院にも当社免震装置が採用されています。
また、国内では北海道への製品供給は茨城港から行っていますが、北関東自動車道が開通したことで、茨城港へのアクセスが格段に向上し、輸送効率が高まったことも挙げられます。
――足利市の人材についてはどう思いますか?
足利工場には、約110人の社員が勤務しています。このうち、約7割は足利市民の方です。市内には、足利工業大学と足利工業高校があり、同校の卒業生が当社でも活躍してくれています。当社にとって、地元で工業系の知識を有する人材を確保できる環境は大きなメリットだと感じています。
――足利市の住環境はいかがでしょうか?
社員の多くが一軒家を建てて生活しています。都心などと比較すると土地の価格が手頃なのは魅力的ですね。アパートの家賃も安いので助かります。また、日常生活で車を利用することも多いのですが、渋 滞もなく、快適に買い物や外出をすることができます。
また、緑豊かな山並みや街の中心を優雅に流れる渡良瀬川など恵まれた自然環境の中、足利学校やあしかがフラワーパークなどの観光地や、夏の夜を彩る足利花火大会など年間を通じて楽しめるイベントも豊富で、充実した余暇を過ごすことができています。
夏の風物詩として毎年開催される迫力満点の足利の花火など、年間を通じて魅力あるイベントが豊富なのも良いですね。
――行政のサポートについてはどうお感じですか?
以前、製品倉庫が手狭で、敷地内での建設にも制限があり、悩んでいました。その頃、工場立地法の改正があったのですが、足利市は法改正にすぐに対応し、栃木県内で最も早く緑地面積率を緩和してくださいました。おかげで、工場敷地内に新たな倉庫を建設でき、事業効率が大幅に向上しました。
また、市の担当者が、折に触れて工場に足を運んでくださり、当社が困った時も、相談しやすい関係を築くことができています。
このようなスピード感があり、かつ、親身な対応が、足利市の魅力の一つだと思います。
――最後に、御社の今後の展望についてお聞かせください。
当社は、技術開発型の企業として、特に新製品・新技術の開発にあたっては「独創性」をテーマに、先進の研究体制で新分野のモノづくりに挑戦してまいります。
足利では免震・制震の製品の製造のみならず、研究開発もおこなっております。国内でいち早く免震・制震の技術開発に着手した業界のパイオニアとして、ここ足利の地から、皆様の生活に安心安全をお届けできるよう、絶ゆまざる努力を続けていきたいと考えています。
インタビューへのご協力、ありがとうございました。
インタビュー日:平成29年2月28日
企業情報
企業名 | オイレス工業株式会社 足利事業場 |
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所在地 | 栃木県足利市羽刈町1000番地 |
代表者 | 代表取締役社長 岡山 俊雄 |
設立 | 1952年(昭和27年)3月11日 |
資本金 | 85億8,500万円 |
事業内容 | 橋梁用、建築用、住宅用の免震・制震装置の製造販売 |
ホームページ | http://www.oiles.co.jp/ |